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7.272026
事業承継税制とは?株式の贈与税・相続税が猶予される制度を解説

「後継者に会社を継がせたいが、税金の負担が心配」「株式を譲るだけで多額の贈与税・相続税がかかるのでは」——事業承継を考える経営者の方から、こうしたお悩みをよく伺います。実は、一定の要件を満たすと、非上場株式や事業用資産の承継にかかる贈与税・相続税の納税を猶予(ゆうよ:一定期間、納付を先延ばしにすること)できる「事業承継税制」という制度があります。この記事では、香川県の行政書士の立場から、制度の概要と、行政書士がお手伝いできる範囲についてご紹介します。
税負担が事業承継のハードルになっています
中小企業庁の資料によると、事業承継税制は平成30年度税制改正で大きく拡充され、10年間限定の特例措置が設けられました(出典:中小企業庁「法人版事業承継税制(特例措置)」)。非上場会社の株式は、業績が良い会社ほど評価額が高くなりやすく、後継者がその評価額に応じた贈与税・相続税を用意できずに承継をためらう、というケースは珍しくありません。個人事業主の方についても、店舗や機械設備といった事業用資産を引き継ぐ際に、同じように税負担が壁になることがあります。こうした課題に対応するために設けられているのが、事業承継税制です。
事業承継税制の概要
事業承継税制には、法人向けの「法人版」と、個人事業主向けの「個人版」の2種類があります。
法人版事業承継税制(特例措置)は、非上場会社の株式を後継者が贈与または相続・遺贈によって取得した場合、その株式にかかる贈与税・相続税の100%が納税猶予される制度です(出典:中小企業庁「法人版事業承継税制(特例措置)」)。適用を受けるには、あらかじめ「特例承継計画」を都道府県庁に提出し、確認を受ける必要があります。2026年7月時点で、特例承継計画の提出期限は令和9年9月30日(2027年9月30日)まで、対象となる贈与・相続の期限は令和9年12月31日(2027年12月31日)までとされています(出典:中小企業庁「法人版事業承継税制(特例措置)」)。
個人版事業承継税制は、個人事業主の事業用資産(店舗、機械設備、土地など)の承継にかかる贈与税・相続税を100%納税猶予する制度です。こちらも事前に「個人事業承継計画」を都道府県庁に提出する必要があり、2026年7月時点の提出期限は令和10年9月30日(2028年9月30日)までとされています(出典:中小企業庁「個人版事業承継税制の前提となる認定」)。
いずれの制度も、「認定経営革新等支援機関」(商工会・商工会議所、金融機関、税理士、行政書士など、国が認定する経営支援の専門機関)による指導・助言を受けたうえで計画を作成することが必須とされています。
行政書士としてお手伝いできる範囲は、経営承継円滑化法にもとづく「特例承継計画」「個人事業承継計画」など、都道府県庁への認定申請書類の作成・提出代行です。一方で、実際の納税猶予額の試算や、贈与税・相続税の申告手続きといった具体的な税務判断は税理士の専属業務にあたるため、当法人ではこの部分には立ち入らず、税理士へおつなぎしています。事業承継税制の活用をご検討の際は、行政書士と税理士が役割分担しながら連携する形が安心です。
よくあるご質問
Q. 事業承継税制を使えば、税金は一切かからなくなりますか?
A. 「猶予」であって「免除」ではない点にご注意ください。要件を満たし続ける限り納税が猶予されますが、途中で要件を満たさなくなると猶予が打ち切られ、猶予されていた税額に利子税を加えて納付が必要になる場合があります。具体的な要件や試算については、税理士にご確認ください。
Q. 個人事業主でも使える制度はありますか?
A. あります。「個人版事業承継税制」として、事業用資産の承継にかかる贈与税・相続税を猶予する制度が設けられています。法人版とは要件が異なりますので、個別の確認が必要です。
Q. 特例承継計画は誰が作成し、どこに提出するのですか?
A. 会社(または個人事業主)ご自身が作成し、認定経営革新等支援機関の指導・助言を受けたうえで、主たる事務所が所在する都道府県庁に提出します。行政書士は、この申請書類の作成・提出代行についてサポートいたします。
まとめ
- 事業承継税制は、非上場株式や事業用資産の承継にかかる贈与税・相続税を最大100%猶予する制度です
- 法人版・個人版があり、いずれも都道府県庁への計画提出が必要です(2026年7月時点:法人版は令和9年9月30日、個人版は令和10年9月30日が計画提出期限)
- 制度の活用には認定経営革新等支援機関の関与が必須です
- 行政書士は認定申請書類の作成・提出代行を、税額の試算や申告は税理士がそれぞれ担当します
- 制度の適用可否や有利・不利の判断は個別事情により異なるため、必ず税理士にご相談ください
次回は「事業承継の相談先はどこ?」について、行政書士・税理士・司法書士の役割の違いをご紹介します。
あおば行政書士法人
代表行政書士 大林 真由子
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※ 本記事は2026年7月時点の公表データ・法令・制度に基づく一般的な情報提供です。個別の税務判断・具体的な納税額の試算については、必ず税理士にご相談ください。
引用元一覧
- 中小企業庁「法人版事業承継税制(特例措置)」
https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/shoukei_enkatsu_zouyo_souzoku.html - 中小企業庁「個人版事業承継税制の前提となる認定」(最終更新:2026年7月10日)
https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/shoukei_kojin_ninntei.html - 国税庁「事業承継税制特集」(制度の税務上の詳細はこちらもあわせてご参照ください)
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/jigyo-shokei/index.htm






