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事業承継の3つの方法──親族承継・従業員承継・M&A、あなたに合うのは?

「そろそろ事業を誰かに引き継ぎたい。でも、どんな方法があるのか、何が自分に合っているのか、まったくわからない……」

そんなお悩みを抱えていませんか?

事業承継(じぎょうしょうけい:事業を次の人に引き渡すこと)には、大きく分けて3つの方法があります。「誰に引き継ぐか」によって手続きの内容も、準備に必要な時間も大きく変わります。

この記事では、それぞれの方法の特徴とメリット・デメリットを比較表つきで解説します。どの方法が自社に合っているか、考えるきっかけになれば幸いです。


事業承継の3つの方法とは?

事業承継の方法は、大きく次の3つに分類されます。

① 親族承継

子どもや配偶者など、経営者の親族に事業を引き継ぐ方法です。日本の中小企業では最も伝統的な形であり、中小企業庁の調査によれば、かつては承継のおよそ8割を親族承継が占めていました。近年は減少傾向にあるものの、依然として多くの中小企業で選ばれている方法です。

(引用元:中小企業庁「事業承継ガイドライン 第3版」2022年3月)

主な特徴

  • 後継者が社内や家族の中にいる場合は、早い段階から後継者教育ができる
  • 従業員・取引先・金融機関からも「経営が続く」という安心感を得やすい
  • 株式・財産の移転には税務上の手続きが必要(贈与税・相続税については税理士にご相談ください)

② 従業員承継(社内承継)

後継者となる親族がいない場合や、社内の有能な幹部・従業員に引き継いでもらう方法です。社内で長年働いてきたベテランが経営者になるため、会社の文化や取引先との関係を引き続き維持しやすいという点が強みです。

(引用元:中小企業庁「事業承継支援の現状と課題」2023年)

主な特徴

  • 会社をよく知っている人材が引き継ぐため、事業の継続性が高い
  • 後継者が株式取得のための資金を用意する必要があるケースが多い(経営者保証の引き継ぎ問題も生じやすい)
  • MBO(マネジメント・バイアウト:経営陣による買収)という形をとる場合もある

③ M&A(エム・エー:企業の合併・買収)/第三者承継

社外の人や会社に事業や株式を売却して引き継いでもらう方法です。「M&A」と聞くと大企業の話に思われがちですが、近年は中小企業・小規模事業者の間でも活用が広がっています。後継者がいない場合の「廃業回避」の手段として注目されています。

(引用元:中小企業庁「2024年版 中小企業白書」)

主な特徴

  • 後継者がいない場合でも事業を残せる可能性がある
  • 売却による「会社の価値の現金化」が経営者にとってのメリットになる場合もある
  • 相手先の企業文化・方針との違いが出るケースもあり、従業員への配慮が必要
  • 公的なマッチング機関として「事業引継ぎ支援センター」(無料)が各都道府県に設置されている

3つの方法を比較する

親族承継 従業員承継 M&A(第三者承継)
後継者 子・配偶者など 幹部・従業員 社外の個人・企業
引き継ぎやすさ 社内文化の継続性が高い 会社をよく知っている 信頼関係の構築が必要
資金面 株式の贈与・相続が伴う 後継者が取得資金を要する 売却益を得られる可能性あり
準備期間の目安 5〜10年 3〜5年 1〜3年(マッチング次第)
行政書士の関与 許認可の名義変更・契約書 同左 事業譲渡契約書・届出

※上記は一般的な傾向です。個別のケースによって大きく異なります。


こんなケースではどの方法が向いている?

ケース①:息子が会社を継ぐと言ってくれているが、まだ若い

この場合は「親族承継」が基本路線になります。早めに後継者として社内でのキャリアを積ませ、5〜10年かけて計画的に準備を進めることが理想です。許認可の名義変更や各種届出のタイミングについては、行政書士にご相談いただくことで、手続きの漏れを防げます。

ケース②:後継者は社内の営業部長に頼みたいが、株式の問題がある

「従業員承継」を検討するケースです。MBOや株式の分割払いなど、さまざまな手法があります。株式の移転や会社の評価については税理士・司法書士との連携が必要になります。行政書士としては、事業譲渡契約書の作成や許認可の引き継ぎ手続きでお手伝いできます。

ケース③:子どもに継ぐ気がなく、廃業するしかないと思っていた

第三者承継(M&A)という選択肢があります。すぐに廃業を決める前に、一度「事業引継ぎ支援センター」(香川県の場合は公益財団法人かがわ産業支援財団内に設置)に相談してみることをお勧めします。マッチングが成立した後の手続きサポートは行政書士が担えます。


まとめ

  • 事業承継の方法には「親族承継」「従業員承継」「M&A(第三者承継)」の3つがある
  • どの方法を選ぶかによって、準備期間・手続きの内容・費用が大きく変わる
  • 後継者がいなくても、M&Aという選択肢で廃業を回避できる場合がある
  • いずれの方法でも、許認可の引き継ぎ・契約書の作成・届出手続きは行政書士がサポートできる
  • まずは「どの方法が自社に合っているか」を専門家と一緒に整理することが大切

次回(記事03)は「後継者がいない場合の第三者承継」について、さらに詳しく解説します。


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代表行政書士 大林 真由子

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※ 本記事は2026年4月時点の法令・制度に基づく一般的な情報提供です。個別のケースについては、必ず専門家にご相談ください。

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