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「後継者がいない」は本当に廃業するしかないのか?第三者承継という選択肢

「うちには継いでくれる子どもがいない」「従業員に引き継がせるのも難しそうだ」──そんなお悩みを抱えている経営者の方は、実はとても多くいらっしゃいます。後継者がいないと気づいたとき、「このまま廃業するしかないのか」と感じてしまうのは、ごく自然なことです。

しかし、廃業が唯一の選択肢というわけではありません。第三者承継(だいさんしゃしょうけい)という方法があります。この記事では、後継者不在でお悩みの中小企業経営者の方に向けて、第三者承継の仕組みと活用できる支援制度を、行政書士の視点からわかりやすくご説明します。

「後継者がいない」中小企業は今どのくらいいるのか

中小企業庁の調査によると、中小企業経営者の約半数が「後継者が決まっていない」と回答しています(引用元:中小企業庁「2023年版 中小企業白書」)。特に60代・70代の経営者においては、お子さんが別の仕事に就いていたり、承継を希望していなかったりするケースが少なくありません。

このような状況が続けば、後継者不在を理由とした「廃業」が増えることになります。しかし廃業は、単に会社が閉まるというだけでは終わりません。長年積み上げてきた技術・ノウハウ・顧客との関係、そして従業員の雇用──これらがすべて失われてしまうのです。

「廃業したら従業員に申し訳ない」と思っている経営者の方こそ、まず第三者承継という選択肢を知っていただきたいのです。

第三者承継とはどんな方法か

第三者承継とは、親族でも従業員でもない「外部の第三者」に事業を引き継ぐことを指します。具体的な方法としては、主に以下の2つがあります。

事業譲渡(じぎょうじょうと)は、事業の全部または一部を別の会社や個人に引き渡す方法です。資産・契約・従業員などをまとめて引き継いでもらいます。

株式譲渡(かぶしきじょうと)は、会社の株式(株主としての権利)を第三者に譲渡することで経営権を移す方法です。会社そのものを引き継いでもらうイメージです。

これらはまとめてM&A(エムアンドエー:合併・買収)と呼ばれることもあります。「M&Aは大企業のもの」というイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、近年は中小企業・小規模事業者を対象としたM&A支援も充実しており、比較的小さな規模でも活用できるようになっています。

第三者承継の一般的な流れ

第三者承継は、おおむね以下のような流れで進みます。

1. 現状整理と意思決定:経営者が第三者への承継を決断し、事業の現状(財務状況・許認可・契約内容など)を整理します。

2. 後継者候補の探索:支援機関やM&A仲介業者を通じて、買い手候補を探します。

3. マッチング・条件交渉:候補者と面談し、譲渡価格や引継ぎ後の条件について協議します。

4. 契約書の締結:事業譲渡契約書または株式譲渡契約書を作成・締結します。

5. 引継ぎ・許認可の手続き:承継後に必要な各種届出や、許認可の名義変更を行います。

行政書士が特に力を発揮できるのは、「④契約書の作成・確認」と「⑤許認可の引継ぎ手続き」です。たとえば建設業許可や飲食店の営業許可など、事業に必要な許認可は、承継後も引き続き有効に保つために届出が必要なケースがあります。この部分は行政書士の専門領域です。

なお、株式の評価や税務処理については税理士に、登記手続きについては司法書士にお繋ぎ致します。

無料で使える支援機関──事業引継ぎ支援センター

後継者探しにあたって、まずご活用いただきたいのが「事業引継ぎ支援センター(じぎょうひきつぎしえんせんたー)」です。これは国(中小企業庁)が各都道府県に設置した、事業承継専門の無料相談窓口です(引用元:中小企業庁「事業承継・引継ぎ支援センター」公式サイト https://shoukei.smrj.go.jp/ )。

香川県の事業引継ぎ支援センターは、公益財団法人かがわ産業支援財団内に設置されており、秘密保持を徹底した上で相談を受け付けています。センターでは以下のサポートが無料で受けられます。

  • M&Aマッチング支援:買い手候補の探索と引き合わせ
  • 事業承継計画の策定支援:専門家と一緒に引継ぎのロードマップを作成
  • 専門家の紹介:税理士・司法書士・行政書士など各分野の専門家へのつなぎ

「まだ廃業か承継か決めていない」という段階からでも相談できます。まずは話を聞いてもらうだけでも、大きな安心感につながります。

よくあるご不安にお答えします

Q:会社の規模が小さいのですが、買い手は見つかりますか?

規模が小さくても、業種・地域・技術・顧客基盤によって買い手がつくケースは少なくありません。特に地域に根ざした事業は、その地域でビジネスを始めたいと考えている人にとって魅力的に映ることがあります。早めに動き出すほど選択肢が広がります。

Q:外部の人に事業を渡すのは、従業員への裏切りになりませんか?

多くの場合、従業員の雇用継続を承継条件の一つとして交渉することができます。廃業で全員が職を失うよりも、第三者承継によって雇用が守られるケースの方が多いです。引継ぎ後も従業員が安心して働ける条件を、契約書にしっかり盛り込むことが重要です。

まとめ

  • 「後継者がいない」からといって、廃業が唯一の選択肢ではありません。
  • M&Aや事業譲渡による第三者承継という方法で、外部の後継者に事業を引き継ぐことができます。
  • 事業引継ぎ支援センターは無料で相談でき、後継者探しのマッチング支援も受けられます。
  • 承継に伴う契約書の作成・許認可の引継ぎ手続きは、行政書士がサポートできます。
  • 準備は早ければ早いほど選択肢が広がります。まずは一度、相談してみてください。

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あおば行政書士法人
代表行政書士 大林 真由子

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あおば行政書士法人では、香川県を中心に事業承継にまつわる許認可の引継ぎ、契約書の作成、補助金申請のサポートを行っています。「何から始めればいいかわからない」という段階からお手伝いいたします。

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※ 本記事は2026年4月時点の法令・制度に基づく一般的な情報提供です。個別のケースについては、必ず専門家にご相談ください。

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