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7.62026
小規模事業者持続化補助金を事業承継に活用する方法

「事業承継(じぎょうしょうけい:事業を次の人に引き渡すこと)のタイミングで、後継者と一緒にホームページを一新したり、新しい機械を導入したりしたいのですが、使える補助金はありますか?」──こうしたご相談をよくいただきます。
前回ご紹介した事業承継・M&A補助金と並んで、事業承継のタイミングで使いやすい補助金がもう一つあります。それが「小規模事業者持続化補助金」(通称:持続化補助金)です。補助上限は最大250万円、補助率は2/3(赤字事業者は3/4)で、販路開拓・生産性向上のための幅広い経費が対象になります。
さらに、2026年度の第20回公募では「事業承継加点」「後継者支援加点」などが用意されており、承継期の事業者にとって採択率を高める要素となります。この記事では、持続化補助金の基本、事業承継と相性が良い理由、承継期に有効な加点措置、申請の流れを、補助金申請サポートを業務とする行政書士の視点で整理します。
1.小規模事業者持続化補助金とは
小規模事業者持続化補助金は、中小企業庁が所管し、日本商工会議所(商工会議所地区)と全国商工会連合会(商工会地区)が事務局を務める、小規模事業者向けの補助金です。
対象となる「小規模事業者」の定義は、業種によって次のように異なります。
- 商業・サービス業(宿泊・娯楽業を除く):常時使用する従業員 5人以下
- サービス業のうち宿泊業・娯楽業:常時使用する従業員 20人以下
- 製造業・その他:常時使用する従業員 20人以下
補助対象となる経費は、機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費、旅費、開発費、資料購入費、雑役務費、借料、設備処分費、委託・外注費と多岐にわたります(ただし枠ごとに上限あり)。
2.補助上限と補助率──最大250万円の内訳
第20回公募(2026年度・令和8年度)の補助上限・補助率は次のとおりです(引用元:中小企業庁「令和7年度補正予算 小規模事業者持続化補助金(通常枠)」パンフレット)。
| 区分 | 補助上限額 | 補助率 |
|---|---|---|
| 通常枠 | 50万円 | 2/3(赤字事業者は3/4) |
| インボイス特例上乗せ | +50万円 | 同上 |
| 賃金引上げ特例上乗せ | +150万円 | 同上 |
| 合計(両特例併用) | 最大250万円 | 同上 |
「インボイス特例」は適格請求書発行事業者(インボイス登録)に新たになった小規模事業者向けの上乗せです。「賃金引上げ特例」は事業計画期間に事業場内最低賃金を一定額以上引き上げる事業者向けの上乗せです。
事業承継のタイミングでは、後継者への引継ぎに伴って賃金水準の見直しをされるケースも多く、賃金引上げ特例の活用可能性が高まります。
3.事業承継と持続化補助金の相性がよい理由
事業承継のタイミングは、次のような取り組みが必要になりやすい時期です。
- 後継者を前面に出した新しいロゴ・ホームページの作成
- 老朽化した機械・設備の更新
- 販路開拓(新規顧客の獲得、新商品の展開)
- 業務効率化のためのシステム導入
- 店舗改装、看板の更新
これらは持続化補助金の補助対象経費と重なる部分が多く、承継のタイミングを「攻めの投資」に転じる後押しになります。
さらに、事業承継期の事業者を優遇する加点措置も用意されています。
4.事業承継期に有効な加点措置
第20回公募では、次の加点措置が採択審査で加点対象となります(引用元:小規模事業者持続化補助金公式サイト・公募要領)。
(1)事業承継加点
現在の代表者が基準日時点で満60歳以上であり、後継者候補が補助事業の取り組みを中心となって行う場合に申請できます。承継準備中の事業者にとって直接的な加点措置です。
(2)後継者支援加点
「アトツギ甲子園」(中小企業庁主催の後継者向けピッチイベント)のファイナリスト・準ファイナリストとなった後継者が対象です。
(3)小規模事業者卒業加点
補助事業実施期間中に、常時使用する従業員を増やし、小規模事業者の定義を超えて事業規模を拡大する事業者が対象です。承継を機に事業拡大を目指す場合に活用できます。
なお、上記加点の適用要件・書類は各公募回によって変更される可能性があるため、申請時には必ず最新の公募要領で確認してください。
5.申請の流れ──商工会・商工会議所との連携が必須
持続化補助金の特徴は、地元の商工会または商工会議所を経由して申請する点にあります。おおまかな流れは次のとおりです。
- ステップ1:gBizIDプライムを取得する(電子申請の場合。無料、取得まで2〜3週間)
- ステップ2:管轄の商工会または商工会議所へ相談し、経営指導員と事業計画書をブラッシュアップする
- ステップ3:商工会・商工会議所から「事業支援計画書(様式4)」を発行してもらう
- ステップ4:Jグランツ(電子申請)または郵送で申請する
- ステップ5:採択後、交付申請 → 交付決定 → 事業実施 → 実績報告 → 補助金確定 → 入金
大事な注意点:第20回公募では、事業支援計画書(様式4)の発行締切が申請受付締切より前に設定されています(第20回:申請締切2026年12月15日、様式4発行締切12月4日予定)。ギリギリで商工会・商工会議所に相談しても間に合わないので、遅くとも締切の1か月前には相談を開始することをおすすめします。
香川県では次の窓口が主な相談先となります。
- 高松商工会議所(高松市)
- 丸亀商工会議所(丸亀市)
- 坂出商工会議所(坂出市)
- 観音寺商工会議所(観音寺市)
- 香川県商工会連合会(各地の商工会:多度津・琴平・満濃・小豆島など)
6.よくあるご質問
Q:事業承継・M&A補助金と持続化補助金は、両方使えますか?
A:どちらも独立した補助金なので、要件を満たせば別々に申請することは可能です。ただし、同じ経費を両方の補助金で重複して申請することはできません(補助金の二重取り禁止)。承継後の投資フェーズごとに使い分けるのが現実的です。設備投資は事業承継促進枠、販路開拓・ホームページは持続化補助金、といった住み分けが典型例です。
Q:後継者がまだ正式に就任していなくても、事業承継加点は使えますか?
A:はい、正式な代表者交代前でも「後継者候補」として補助事業の中心を担うことが要件を満たします。ただし、承継スケジュール、後継者の関与内容を事業計画書で具体的に示す必要があります。公募要領で「後継者候補」の定義を確認したうえで申請してください。
Q:申請に必要な書類は多いですか?
A:主なものは、経営計画書・補助事業計画書(様式2・3)、事業支援計画書(様式4:商工会・商工会議所が作成)、事業者概要(決算書写しなど)、加点用の証拠書類(該当する場合)です。事業計画書の完成度が採択率を大きく左右しますので、商工会・商工会議所の経営指導員や行政書士と一緒に練り上げていくことをおすすめします。
7.香川県内での申請の進め方
香川県で持続化補助金を活用される場合、次の流れがおすすめです。
- 商工会・商工会議所の会員でない場合はまず入会(会費は年数万円程度)
- 経営指導員に事業構想を相談し、計画の方向性を確認
- 事業計画書のドラフトを作成(行政書士のサポートが有効な場面)
- 商工会・商工会議所と計画をブラッシュアップし、様式4の発行を受ける
- Jグランツで電子申請
事業計画書の起案・電子申請補助は、補助金申請サポートを業務とする行政書士の業務領域です。あおば行政書士法人では、商工会・商工会議所との連携を前提に、事業計画書のブラッシュアップから申請補助までを一貫してサポートしています。
まとめ
- 小規模事業者持続化補助金は、事業承継のタイミングでも活用しやすい補助金
- 第20回公募(2026年度)は補助上限最大250万円、補助率2/3(赤字事業者は3/4)
- 「事業承継加点」「後継者支援加点」「卒業加点」で承継期事業者は採択率アップが期待できる
- 申請には商工会・商工会議所発行の「事業支援計画書(様式4)」が必須
- 様式4の発行締切は申請締切より前。遅くとも締切1か月前には相談を開始する
次回(7月13日公開予定)は、「事業引継ぎ支援センターとは?──無料で使える公的マッチング」をお届けします。第三者承継を検討する経営者にとって強力な味方となる公的機関をご紹介します。
あおば行政書士法人
代表行政書士 大林 真由子
事業承継のこと、まずは気軽にご相談ください。
あおば行政書士法人では、香川県を中心に事業承継にまつわる
許認可の引継ぎ、契約書の作成、補助金申請のサポートを行っています。
「何から始めればいいかわからない」という段階からお手伝いいたします。
📞 お電話でのご相談:0877-85-3890
📧 メールでのご相談:info@aobagyousei.com
🌐 お問い合わせフォーム:https://lin.ee/5rOiAvV
初回相談は無料です。オンラインでの対応も可能です。
※ 本記事は2026年6月時点の公表データ・法令・制度に基づく一般的な情報提供です。個別のケースについては、必ず専門家にご相談ください。補助金の対象・金額・スケジュール・要件は変更される場合がありますので、申請時には必ず最新の公募要領を確認してください。
引用元一覧
- 中小企業庁「令和7年度補正予算『小規模事業者持続化補助金(通常枠)』」パンフレット https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/r8/jizoku.pdf
- 小規模事業者持続化補助金(一般型・通常枠)公式サイト(日本商工会議所) https://www.jizokukanb.com/
- 小規模事業者持続化補助金(商工会地区)公式サイト(全国商工会連合会) https://www.shokokai.or.jp/
- 中小企業庁 中小企業支援策関連ページ https://www.chusho.meti.go.jp/
- 中小機構「令和7年度 小規模事業者・中小企業向け補助金スケジュール」 https://seisansei.smrj.go.jp/subsidy_guide/subsidy_info/r7_schedule.html







